クロと旅する 3
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・旅2日目ー1 |
クロ:「さぁ オレっちの“夏の戦い5日目”張り切って行くみャ〜!」 トロ:「トロはまだ眠いですニャ…」 クロ:「まずは徒歩30秒の“エンバンクメント駅”から “ベーカールー線”で8駅先の“パディントン駅”へ移動だみャ」 トロ:「今回も乗り換えなしで行けるんですニャ」 トロ:「地下鉄の駅から地上に上がると、大きな駅の中に出ましたニャ」 クロ:「ここから高速鉄道に乗り換えるんだケド、ここは一旦駅の外へ出るみャ」 トロ:「え、なんでニャ?」 クロ:「それはココが聖地だからみャ」 トロ:「なるほど…」 .. クロ:「この駅から幼い“忍”が高速鉄道に乗ってアリスの家へ行ったんだみャ」 トロ:「へぇ〜」 クロ:「じゃあ オレっちたちも“忍”の足跡を追ってアリスの家へ向かうみャ♪」 トロ:「了解ですニャ」 クロ:「ここで事前にネットで購入したチケットをプリントアウトするんだみャ」 トロ:「電車に乗るには予約が必要なのニャ?」 クロ:「いや、当日でもチケットは買えるケド、ネットでの事前予約の方が安いんだみャ」 トロ:「贅沢するだけじゃなくて、ちゃんと節約もしてるんですニャ」 ※ ネットで予約したときに使ったクレジットカードをこの機械に通すとチケットが出てきます。 「First Great Western 鉄道」公式HPへ… (英語サイト) クロ:「さて チケットもゲットしたことだしホームへ移動するみャ」 トロ:「これがトロたちが乗る電車ですニャ」 クロ:「そうだみャ」 トロ:「なんかあまり早そうな感じはしませんニャ…」 クロ:「確かに見た目はな…」 トロ:「そしてコレがお得なチケットですニャ」 クロ:「乗客が少ない時間帯の列車限定“オフピーク往復チケット”だみャ」 トロ:「へぇ〜 時間帯が制限されたチケットなんてあるんですニャ」 クロ:「さぁ 動きだしたみャ」 トロ:「見た目によらず、確かに早いですニャ〜」 クロ:「そりゃ、高速鉄道だからみャ」 トロ:「ジャン=ポール…?」 クロ:「フランスの有名なパティシエだみャ。 このショコラを使ったマカロン“アメール”は、フランスの情報サイト:フィガロスコープで マカロン部門第1位を獲得した逸品なんだみャ」 トロ:「へぇ〜、そんなに凄いマカロンなんですニャ」 クロ:「でも値段はリーズナブルだし日本でも買えるから、気に入ったらまた買うみャ」 トロ:「箱にいっぱい入ってて、食べきれませんでしたからニャ…」 クロ:「じゃあコレを食べたら、ちょっと仮眠するみャ…」 トロ:「そう言えばイギリスは日本と同じ左側通行だから、レンタカーは日本人観光客に人気があるんでしたニャ」 クロ:「まぁ 大半は便利な“ヒースロー空港”で借りるだろうから、 この“スウィンドン”で借りる日本人はあまり居ないだろうみャ…」 トロ:「へぇ〜 そうなんですニャ」 クロ:「はい! 手続き完了だみャ!!」 トロ:「レンタカー会社の迷惑になるので、道中にあるスーパーの駐車場をお借りしてますニャ」 トロ:「しかしベンツとは これまたお高い車を借りましたニャ〜」 クロ:「いや、イギリスじゃ日本ほどベンツは高級車って感じじゃないみャ」 クロ:「とくにこの“A180”はベンツのエントリーモデルだから、むしろ大衆車と言ってもいいみャ」 トロ:「へぇ〜 そうなのニャ」 クロ:「そして日本と同じ右ハンドル仕様車だみャ」 トロ:「見慣れてるから全然違和感がないですニャ」 クロ:「でも“ウィンカー”と“ワイパー”のスイッチが“日本と左右逆”だから要注意だみャ」 トロ:「なんと そんなトラップがあるんですニャ…」 トロ:「ちゃんと“カーナビ”がついてるのに、もう一つ同じようなものがありますニャ」 クロ:「こっちは日本から持ってきた“タブレット”だみャ。 イギリスは信号が少ない代わりに“ラウンドアバウト”っていう、“環状交差点”が主流なってて…」 トロ:「環状交差点…?」 クロ:「交差点の中央に設置された円周を回って進みたい方向の道へ行く、日本でいう“ロータリー”のことだみャ」 トロ:「なるほど…で、その環状交差点とこのタブレットにどんな関係があるのニャ?」 クロ:「“ラウンドアバウト”に馴れてないと、同じ交差点をぐるぐる回るから ちょっとでも気を抜いてると自分がどの道から来て、どの道へ行きたいのか分からなくなるんだみャ」 トロ:「確かに聞いているだけで道に迷いそうな気がしますニャ…」 クロ:「だろ? だから“カーナビ”とこの“タブレット”の地図の縮尺を変えて、 “Wのナビ”で道を間違えないようにするんだみャ」 トロ:「なるほど! さすがクロ“用意周到”ですニャ♪」 クロ:「やっぱ郊外だけあって道は空いてるみャ」 トロ:「ドライブには最適ですニャ」 トロ:「あっ、交差点でしかも車線がいっぱいありますニャ…」 クロ:「こっちはナビ2台体制だぞ、あんな道ごとき間違えるわけないみャ!」 トロ:「さすが!これなら安心ですニャ♪」 クロ:「その交差点の先が高速道路の入口だみャ」 トロ:「おっ 高速道路を走るのニャ」 クロ:「はい、これがイギリスの高速道路“M4号線”だみャ」 トロ:「あれ? ゲートらしき物が何もなかったけど…」 クロ:「イギリスの高速道路(モーターウェイ)は全線無料なんだみャ。だから出入り口にゲートはないみャ」 トロ:「へぇ〜 そうなんですニャ〜」 クロ:「まぁ、一部のトンネルや橋には有料の場所もあるケドみャ」 トロ:「でも日本ではとても考えられませんニャ」 クロ:「日本の高速道路の通行料の高さは世界一だからみャ」 トロ:「えっ!? そうなのニャ?」 クロ:「まぁ 日本の高速道路は構造が複雑で維持費がかかるから仕方ない面もあるみャ…」 トロ:「確かに“首都高”の複雑さは半端ないですからニャ…」 クロ:「よし到着したみャ♪」 トロ:「凄く細い道を通ってきて不安だったけど、無事に着いて良かったのニャ」 トロ:「おいしい“クリーム”と“ティー”って書いてますニャ。 おいしいアイスクリームと紅茶がある喫茶店ってことですニャ」 クロ:「いや、アレは“クリームティー”っていう一つの言葉だみャ。 “クリームティー”は紅茶とスコーンにがセットになった“アフタヌーンティー”の一種で、 スコーンにバターと生クリームの中間にあたる“クロテッドクリーム”とジャムが添えられるから、 そのセットを総称して“クリームティー”って呼ばれてるんだみャ」 トロ:「へぇ〜 それは美味しそうですニャ〜♪」 クロ:「それでは早速 お庭へ入ってみるみャ」 トロ:「あっ、なんかこの時点で見覚えのある感じが…」 トロ:「うゎ〜 アリスちゃんのお家ですニャ〜♪」 クロ:「アニメと全く一緒だみャ♪」 .. クロ:「そこにアリスたち5人が戯れる光景が目に浮かぶみャ」 .. トロ:「テーブルやベンチだけじゃなく、本当に“お馬さんの人形”もあったんですニャ」 クロ:「実際にここへ来ると、アニメでいかに忠実に再現していたかが分かるみャ」 トロ:「ところでこの馬の人形って、昨日ロンドンで乗ったメリーゴーラウンドの馬だったんですかニャ?」 クロ:「それにしては小さすぎるだろ…。やっぱ子供用の“おもちゃ”だったんじゃないかみャ」 トロ:「なるほど…」 トロ:「でもこんなキレイなところで さっきの“クリームティー”が楽しめたら最高でしょうニャ〜♪」 クロ:「ところが注文すれば本当にこのコテージで“クリームティー”が楽しめるんだみャ」 トロ:「マジですか!? 」 .. トロ:「しかしアリスちゃんのお家がこんな立派な喫茶店だったとは思いませんでしたニャ」 クロ:「いや、ココは喫茶店じゃなくて、B&Bっていう日本でいうところの民宿みたいな“宿泊施設”だみャ」 トロ:「へぇ〜 民宿だったんですニャ。 どおりで喫茶店にしては大きいと思ったのニャ」 クロ:「この“フォス・ファームハウス”は料理研究家の“キャロンさん”がオーナーを務めるB&Bで アリスの部屋のモデルになった“ピンクルーム”や、 忍がホームステイしていた“パインルーム”にも宿泊することができるんだみャ」 トロ:「それはクロみたいな巡礼者さんに人気がありそうなお部屋ですニャ」 クロ:「まさにその通り、これまでに宿泊した巡礼者は大勢いて、 みんな“きんいろモザイク”のグッズをお土産にして持ってくるもんだから、 建物のいたるところにグッズが飾られてるんだみャ♪」 トロ:「へぇ〜 じゃあ ひょっとしてトロたちも今日その“ピンクやパイン”のお部屋に泊まるのニャ?」 クロ:「実はオレっちも そうしたかったんだケド、残念ながらスケジュール的に断念したんだみャ…」 トロ:「それは本当に残念ですニャ…。トロもアリスちゃんや忍ちゃんのお部屋に泊まりたかったですニャ…」 クロ:「やっぱりアリスや忍の部屋に比べたら、5つ星ホテルのスイートルームでも霞んでしまうみャ…」 ※ 「フォス・ファームハウス」公式HPへ…(日本語サイト) .. トロ:「じゃあ、せめて“クリームティー”だけでも注文しに行くのニャ!」 クロ:「いや ちょっと待った! 実はこのあとの聖地巡礼でアフタヌーンティーを楽しむ店をもう決めてあるんだみャ」 トロ:「にゃんと!? クロがアリスちゃんのお家よりも優先するお店があるのニャ?」 クロ:「それがあるんだみャ♪ だからオレっちとしても このお庭で“クリームティー”を楽しみたいところなんだが、 ここはグッと堪えて聖地巡礼を再開するみャ」 トロ:「じゃあ、この中にも入らないのニャ?」 クロ:「そりゃ、ここまで来たんだからオレっちも建物の中へ入りたいケド、 宿泊もお茶もしないのに中へ入るわけにはいかないだろ?」 トロ:「確かにそうですニャ…」 クロ:「まぁ 宿泊やクリームティーは改めてリベンジしに来るということで、ここは潔く立ち去るみャ」 トロ:「分かりましたニャ…。じゃあ せめて…」 クロ:「さらば“フォス・ファームハウス”、必ずリベンジしに来るみャ!」 トロ:「トロも連れて来てもらうのニャ!」 クロ:「あれは電車の駅のマークだみャ」 クロ:「ここが次なる聖地 ”First Great Western 鉄道の ケンブル駅”だみャ」 トロ:「あれ? トロたちが乗ってきた鉄道会社と一緒ですニャ」 クロ:「この“ケンブル駅”は、オレっちたちが降りた“スウィンドン駅”の次の駅なんだみャ」 トロ:「じゃあ 最初からこの駅で降りればよかったのに…」 クロ:「まぁ この駅前で客待ちしてるタクシーに乗って聖地巡礼する方法も考えたんだケド、 やっぱ要所要所で待たせることになるから、時間が気になって巡礼に集中できないだろ?」 トロ:「確かにそうですニャ」 クロ:「だから一番近いレンタカー会社があるスウィンドンで車を借りたんだみャ」 トロ:「なるほど…」 .. クロ:「あそこから忍が出てきたんだみャ♪」 トロ:「それにしても小さいのによく一人で来られましたニャ。とっても偉い子なのニャ」 クロ:「言われてみれば、確かにそうだみャ」 トロ:「なんか恐そうなおじさんが見てますニャ…」 クロ:「あの人は駅員さんだみャ」 クロ:「しかしアニメと違って、凄い車の数だみャ…」 トロ:「でも長閑な雰囲気はアニメと似てますニャ♪」 クロ:「実はコッツウォルズ地方の田舎道をドライブしたかったっていうのも レンタカーにした理由なんだみャ」 トロ:「確かに天気も良いし、交通量も少ないから 絶好のドライブ日和ですニャ〜♪」 クロ:「さぁ 着いたみャ」 トロ:「ココって…?」 クロ:「“サイレンセスター”っていう町にあるスーパーの駐車場だみャ」 トロ:「ここでお買い物するのニャ?」 クロ:「この聖地“サイレンセスター”を巡礼する為に駐車させてもらったんだみャ。 もちろん巡礼のあとで、飲み物とか買って少ないながらも売り上げに貢献するみャ」 トロ:「無断駐車はお店に迷惑が掛かりますからニャ」 トロ:「スーパーの近くだけあって、周辺は閑静な住宅街ですニャ」 クロ:「でも5分ほど歩くと…」 トロ:「お店がたくさんある にぎやかな通りに出たのニャ」 クロ:「この“クリクレード・ストリート”を抜けた先に…」 クロ:「アニメに登場した“セント・ジョン・バプティスト教会”があるんだみャ」 トロ:「とっても歴史を感じる建物ですニャ」 クロ:「この“セント・ジョン・バプティスト教会”は今から約860年前の中世に建てられた歴史ある教会で、 当時から“コッツウォルズの大聖堂”と呼ばれて親しまれてる有名な教会だみャ」 .. トロ:「へぇ〜 860年前から建ってるとは凄いですニャ」 クロ:「補修された建物の側面に寄付者の名前がズラリと刻まれてるのを見ると、 いかにこの教会が大事にされているのかが伝わってくるみャ」 トロ:「そうですニャ〜 それでは…」 クロ:「そして教会前の大通り“マーケット・プレイス”もまたアニメに登場した聖地だみャ♪」 トロ:「そう言えば、小さいアリスちゃんが忍ちゃんを案内してましたニャ」 クロ:「ここも実に再現度が高いみャ」 クロ:「そして教会から徒歩2分のところにある広場が、次の聖地“ブルーワリー・コート”だみャ」 トロ:「なんか不気味な像が立ってますニャ…」 クロ:「“犬にまとわりつかれる被り物を被った裸婦像”…? 確かに不気味だみャ」 トロ:「あの被り物はウサギさんですかニャ…?」 クロ:「とりあえず 謎の像は置いといて…」 クロ:「その像に面している店がアニメに登場した本屋だみャ」 トロ:「アリスちゃんがクロスワードパズルの本を買ったんでしたニャ」 クロ:「忍に英単語を覚えてもらおうと思って買ったんだろうみャ」 クロ:「そして笑顔で駆け出す二人…」 トロ:「実に微笑ましいシーンなのニャ…」 クロ:「さて、普通の観光旅行なら たくさん見所があるサイレンセスターだケド、早速 次の聖地へ移動するみャ」 トロ:「ココってそんなに有名な観光地だったのニャ?」 クロ:「このサイレンセスターは古代ローマ時代に作られた町なんだケド、当時はこの周辺を統治する地方首都で、 ロンドンに次ぐ“イギリス第2の首都”とまで呼ばれていた時代がある程の有名な町なんだみャ」 トロ:「えっ、ロンドンの次だなんて、そんなに凄い町だったのニャ?」 クロ:「まぁ それは昔の話だが、今でも“コッツウォルズの首都”って呼ばれる有名な観光地だみャ」 トロ:「へぇ〜 そうだったんですニャ〜」 クロ:「とにかく時間が勿体無いから、この有料トイレで用を足したら次の聖地へ出発するみャ!」 トロ:「“笑顔で駆け出す二人”の後ろの建物は有料トイレだったんですニャ…」 クロ:「いや〜、ついに来ました聖地“バイブリー村”♪」 トロ:「さっきの町と違ってココは素朴な感じですニャ」 クロ:「でも知名度は“サイレンセスター”よりもこの“バイブリー村”の方が断然上だみャ」 トロ:「へぇ〜 こんな小さな村なのにそんなに有名なのニャ」 クロ:「まぁ 理由はあとで説明してやるから、今はこの巡礼を楽しむみャ」 クロ:「実は村のメインストリート沿いを流れているこの小川がアニメで度々登場した“コルン川”だみャ」 トロ:「景色に相応しく 流れているお水もキレイですニャ♪」 トロ:「おや、この小さな橋に見覚えがありますニャ」 トロ:「確かこの橋の上で、アリスちゃんと忍ちゃんがアイスを食べてたのニャ」 クロ:「アリスん家の愛犬ポピーもいたみャ」 トロ:「アリスちゃんみたいな小さい女の子が橋を渡っていきますニャ♪」 クロ:「おぉ〜 きんぱつ少女…」 トロ:「ちょっとクロ…危ない目をしてますニャ…」 クロ:「よし、あとを追うみャ♪」 トロ:「コラ! 最優先事項の聖地巡礼はどうしたのニャ!」 クロ:「おっと失敬…オレっちとしたことが、きんぱつ少女を見て理性を失いかけたみャ…」 トロ:「アニメの忍ちゃんみたいですニャ…」 クロ:「これがアイスを食べてた二人が眺めてた風景だみャ♪」 トロ:「ホントに素朴でキレイは風景ですニャ」 クロ:「では、橋を渡って次なる聖地へ…」 トロ:「これはまた味わいのある小道ですニャ〜」 クロ:「さぁ ココがバイブリー村を象徴する集落であり、次の聖地でもある“アーリントン・ロー”だみャ♪」 トロ:「確かに観光客が多いみたいですニャ…」 トロ:「しかし なんか映画のセットみたいな可愛い建物ですニャ♪」 クロ:「そうだろ? 気に入ったから自分の別荘にする為に、建物全部を買い取ろうとした人がいたぐらいだからみャ」 トロ:「えっ? そんな人がいたのニャ?」 クロ:「アメリカの自動車メーカー“フォード”の創始者“ヘンリー・フォード”だみャ」 トロ:「確かに買い取れそうなくらい、お金をいっぱい持ってそうな人ですニャ…」 クロ:「その昔、コッツウォルズ地方を観光していたヘンリー・フォードがバイブリー村を訪れた時に、 このアーリントン・ローを一目見て、 気に入ったから建物を全部買い取ってアメリカに移築しようとしたんだみャ」 トロ:「お金持ちの考えることはスケールが違いますニャ〜」 クロ:「でも地元の大反対にあって、その計画は断念したんだみャ」 トロ:「だから今もこうして ここに建ってるんですニャ」 クロ:「ちなみに一旦は計画を断念したヘンリー・フォードだったんだケド、 どうしても諦められなかったみたいで、結局この近くの別の村に建ってた古いコテージを買い取って、 アメリカに移築したらしいみャ」 トロ:「なんか凄い執念ですニャ…。 でもこの建物が無事で良かったですニャ♪」 トロ:「ところでこの建物ってお家にしては小さい気がするんだけど、ひょっとして人が住んでるのニャ?」 クロ:「窓辺にカーテンが付いてるのを見ればわかるとおり住んでるみャ」 トロ:「でも1階と2階の間隔がほとんどないから、天井は低そうですニャ…」 クロ:「まぁ 今は人が住んでるケド、実はコレ“元々は羊小屋”として建てられた建物だったんだみャ」 トロ:「えっ!? この建物は羊小屋だったのニャ?」 クロ:「そうだみャ。 この“アーリントン・ロー”は修道院で使う羊毛製品を作るための羊を育てる小屋として 14世紀(1380年)に建てられた修道院の併設施設だったんだみャ」 トロ:「へぇ〜 それじゃあこの建物は600年以上もココに建ってるんですニャ」 クロ:「そうなるみャ」 クロ:「その後、羊小屋に羊毛を加工する機織(はたおり)部屋が併設されるようになって、 17世紀頃には機織作業をする職人の住居として改装されて、現在の姿になったんだみャ」 トロ:「建てかえるんじゃなくて改装を繰り返すとは、 物や伝統を大切にする実に英国人らしいエピソードですニャ」 クロ:「ちなみに現在“アーリントン・ロー”はイギリスの歴史的建造物保護団体“ナショナル・トラスト”の 管理下にあるんだケド、人口630人のバイブリー村民の貴重な住居として使われ続けてるんだみャ」 トロ:「今も必要とされてるなんて、きっと建物も喜んでますニャ♪」 クロ:「おっ、良いこと言うみャ〜♪」 トロ:「へぇ〜 そうなのニャ?」 クロ:「19世紀に活躍したイギリスの詩人であり、マルクス主義の活動家だった“ウィリアム・モリス”が このバイブリー村を訪れた時に“イングランドで最も美しい村”だと大絶賛したんだみャ」 トロ:「それでこんなに観光客が訪れる有名な観光地になったんですニャ」 クロ:「そういう事だみャ」 クロ:「よし、じゃあ次の聖地へ向かうみャ!」 トロ:「了解ですニャ」 トロ:「ひっきりなしに観光客がやって来ますニャ…」 クロ:「そりゃ 大型観光バスが何台も来るような有名観光地だからみャ」 トロ:「おっ、人の往来が止まったのニャ」 クロ:「橋を渡った右手にあるギフトショップが次なる聖地だみャ」 トロ:「アリスちゃんが忍ちゃんへの手紙を出したお店ですニャ」 クロ:「そうだみャ」 トロ:「色々なお土産を売ってるみたいですニャ」 クロ:「じゃあ中へ入ってみるみャ」 トロ:「可愛いものがたくさんありますニャ〜♪」 クロ:「せっかくだから何か買っていくみャ」 ※ 実際に写真集やポストカードなどを購入しました。 クロ:「やっぱ凄い数の観光客だみャ…」 トロ:「さっき写真を撮っておいて良かったですニャ」 クロ:「さて 橋を横目に先へと進むみャ」 トロ:「おや、カモさんがたくさん泳いでますニャ」 クロ:「そういやアニメでもカモが出てたみャ」 トロ:「ここから眺める風景もキレイですニャ〜」 クロ:「この“コルン川”越しの“アーリントン・ロー”は、 色んなメディアで紹介されてるバイブリー村を象徴する風景だみャ。 きっと“ウィリアム・モリス”もこの風景を見て“イングランドで最も美しい村”だと言ったんだろうみャ」 トロ:「なるほどですニャ」 クロ:「そして川の反対側にある この辺りがアニメでアリスの家が建っている設定の場所だみャ」 トロ:「そう言えば、アリスちゃんのお家は川沿いの道に面したところに建ってましたニャ」 クロ:「そしてその橋もアニメに登場した橋だみャ」 トロ:「はて? そうでしたっけ?」 クロ:「角度的に分かりにくいケド、行方不明になったカレンを探しまわるアリスが渡った橋だみャ」 トロ:「よく分かりましたニャ」 クロ:「たもとにある標示板を見ればすぐに分かるみャ」 トロ:「確かにこの標示板には見覚えがありますニャ」 クロ:「アニメでさっきの標示板の後ろに建ってたのが、この“ザ・スワンホテル”だみャ」 トロ:「ホテルの名前どおり、白鳥さんのマークがついてますニャ」 クロ:「この“ザ・スワンホテル”は4つ星に加え、 イギリス独自のレストランを対象とした“ロゼットアワード”で、AA(ダブルエー)を受賞していて、 美味い料理が楽しめるホテルで有名なんだみャ」 トロ:「へぇ〜 確かに色々なプレートが入口に貼ってありますニャ」 クロ:「もちろん宿泊者以外もレストランを利用できるから、誰でも美味い料理を味わえるみャ♪」 トロ:「じゃあ アリスちゃんのお家の“クリームティー”を諦めてまで来たかったのはココだったんですニャ」 クロ:「いや、確かにココでも美味いアフタヌーンティーが楽しめるケド、ココじゃないみャ。 あとで行くから楽しみにしてるみャ♪」 トロ:「わかったニャ♪」 クロ:「じゃあ巡礼の続きをするみャ」 クロ:「ホテル正面の道の右手にあるのが聖地“バイブリー・トラウトファーム”だみャ」 トロ:「確かアニメにも あの大きいアイスクリームの看板が出てましたニャ」 クロ:「早速 中へ入ってみるみャ」 トロ:「ところで看板に魚が描かれてるけど、ココってどういったところなのニャ?」 クロ:「さっき“バイブリー・トラウトファーム”って言っただろ。 トラウト…すなわち“鱒(マス)”の養殖場だみャ」 トロ:「へぇ〜 魚の養殖場だったんですニャ。 でも人が大勢いて日本の魚の養殖場とはだいぶイメージが違いますニャ」 クロ:「ここは養殖だけじゃなく、釣竿をレンタルしてて“マス釣り”が楽しめたり、 養殖したマスの直売や土産物も売ってる、言わば“バイブリー村のレジャー施設”なんだみャ」 トロ:「なるほど、確かに中はとっても広そうですニャ〜」 トロ:「おや、いきなり何か売ってますニャ」 クロ:「“ティータオル”って書いてあるみャ」 トロ:「にゃんと、トロたちと同じ猫さんがたくさんいますニャ〜♪」 クロ:「こんなに種類があるってことは人気がある証だみャ。同じ仲間としては嬉しいかぎりだみャ♪」 トロ:「でもタオルっていうわりには、生地がペラペラですニャ」 クロ:「“ティータオル”は濡れた物を拭くものじゃなくて、 お茶が冷めないようにティーポットを包んだり、お菓子を食べる時にテーブルに敷いて使ったりする イギリス発祥のキッチングッズだみャ」 トロ:「なんだ そうだったんですニャ…」 クロ:「じゃあ、建物の中へ入るみャ」 トロ:「なんかお魚屋さんみたいだみャ」 クロ:「養殖したマスを直売してるんだみャ」 トロ:「切り身や加工したマスも売ってるんですニャ」 クロ:「こっちにはお菓子やジャムとかお茶が売ってるみャ」 トロ:「どれもアフタヌーンティーに欠かせない物ばかりですニャ」 クロ:「こっちにはティーポットのカバー“ティーコジー”を売ってるみャ」 トロ:「動物の形をした可愛いカバーがいっぱいですニャ♪ それにして あんなふうに中に何か詰めて飾ってると“ぬいぐるみ”みたいですニャ」 クロ:「確かにそうだみャ。 相手を選ぶケド、かさばらないからイギリス土産には良いかもみャ」 クロ:「オレっちたちには“マス釣り”してる時間はないから、 外のテラスでアリスと忍が食べてたアイスを堪能するみャ♪」 トロ:「わ〜い♪」 クロ:「やっぱここは二人に合わせて、バニラのシングルだみャ」 トロ:「く〜ださ〜いニャ〜♪」 ※ ご本人から撮影と掲載の許可は得ております トロ:「いただ〜きま〜す♪」 クロ:「う〜ん さすが自家製アイス、実に濃厚で美味だみャ♪」 クロ:「それじゃあ、アイスも堪能したところで 次の聖地へ向かうみャ」 トロ:「了解ですニャ」 クロ:「おぉ〜 さっきは気付かなかったケド、この橋からの眺めも実に良いみャ〜」 トロ:「どこを見ても絵になりますニャ〜」 クロ:「んじゃ、右に曲がって来た道を戻るみャ」 トロ:「あらためて見ると、ホントにキレイで印象深い風景ですニャ〜」 クロ:「やっぱり観光客の姿は絶えないみャ…」 トロ:「ところでだいぶ戻ってきたけど、次の聖地ってまだ先なのニャ?」 クロ:「この道路をあと5分ほど歩けば到着するみャ」 クロ:「さぁ 着いたみャ」 トロ:「あの電話ボックスがある所ですニャ」 クロ:「カレンが電話をしていて、他の4人がそのベンチに座ってたんだみャ♪」 トロ:「確かベンチの4人は、さっきトロたちが食べたアイスを持ってましたニャ」 クロ:「8月のこの時期じゃ、ココへ来るまでに溶けちゃうみャ」 クロ:「それじゃあ、アフタヌーンティーを楽しみに行くとするみャ」 トロ:「おっ いよいよですニャ♪」 クロ:「実はアフタヌーンティーを楽しむのは、カレンの実家のモデルになった“バイブリーコートホテル”だみャ」 トロ:「カレンちゃんの大きいお家のモデルはホテルだったのニャ?」 クロ:「そうだみャ。 だから敷地に広い駐車場があるから車で行くみャ」 トロ:「了解ですニャ!」 |
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