クロと旅する 3

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 ・旅5日目ー1

 

 

 

 

 

 

              

 

 

 

 

 

 

 トロ:「それじゃあ、今日も快晴で良かったですニャ♪」
 クロ:「そうだみャ♪
     今日はパリの有名観光地をいろいろ巡礼するから、これを食べたら早速出発するみャ」
 トロ:「了解ですニャ♪」


 

 クロ:「平日の8時すぎのわりには交通量が少ないみャ」

 

 トロ:「確かに東京では考えられない少なさですニャ」


 

 クロ:「“カルーゼル広場”も閑散としてるみャ」
 トロ:「でも コレぐらい人が少ない方が“のんびり”して良いですニャ♪」


 

 クロ:「しかし、こんな歴史のある建物の間を何気なく歩けるとは、なんとも贅沢だみャ〜」


 

 トロ:「超人気観光スポットもこんなに人が少ないですニャ」
 クロ:「そりゃまだ8時すぎだしな…。
     “ルーブル美術館”の開館は9時だから、そんなに人は来ないだろ」


 

 トロ:「でも、入口には既に行列ができてますニャ」
 クロ:「ホントだみャ!」


 

 クロ:「とりあえず、オレっちたちは“ルーブル美術館”を素通りして、まずは“ノートルダム大聖堂”へ行くみャ」
 トロ:「でも、今日“ルーブル美術館”に入るんじゃなかったのニャ?」
 クロ:「もちろん入るみャ。
     ただし“ルーブル美術館”へ来るのは、今日の夕方だみャ
 トロ:「あら、そうなんですニャ」


              

 クロ:「そういうわけで“ドゥノン翼”を抜けて、“ノートルダム大聖堂”へ
向かうみャ」

 

 トロ:「“セーヌ川”沿いのお散歩とは優雅ですニャ〜」
 クロ:「優雅な“フランス学士院”の建物が一層パリの雰囲気を盛り立ててくれるみャ〜」


 

 クロ:「この橋“ポン・ヌフ”を渡って“シテ島”へ上陸みャ」
 トロ:「振り返ると、遠くに“エッフェル塔”が見えますニャ」
 クロ:「ホントだみャ」


 

 クロ:「橋の反対側には“コンシェルジュリー”が見えるみャ」
 トロ:「そう言えば、昨日のナイトクルーズで見ましたニャ」


 

 

 クロ:「さぁ着いたみャ。
     あれが 中世ゴシック建築の傑作の1つ聖地“ノートルダム大聖堂”だみャ〜♪」


 

 トロ:「まさに“聖地”と呼ぶに相応しい、荘厳な佇まいですニャ…」
 クロ:「建物に施された彫刻“ひとつひとつ”にちゃんと意味があって、説明したいところなんだケド、
     説明すると文量がとんでもない事になるから、ココは割愛させてもらうみャ…」


       

 トロ:「おや、大聖堂の前に“太陽マーク”がありますニャ」
 クロ:「これは太陽じゃなくて“ポワン・ゼロ”だみャ」


 

 トロ:「“ポワン・ゼロ”て何ですニャ?」
 クロ:「日本語で言うと“道路元標”のことで、“道路の始点”だみャ」
 トロ:「“道路の始点”って…?」
 クロ:「例えば、
     道路に“東京まで50km”って標識があったら、その標識の50km先に“道路元標”があるんだみャ

    “道路元標”とは“道路の始点”のことで、標識から目的地までとの距離を測るための起点のことだみャ」
 トロ:「なるほど、電車でいう“0キロポスト”のことですニャ」
 クロ:「そうだみャ。
     東京の“道路元標”は“中央区の日本橋”、パリの“ノートルダム大聖堂”の前っていうことみャ」
 トロ:「それにしても“ポワン・ゼロ”を踏んづけていく人が多いですニャ」
 クロ:「それは“ポワン・ゼロを踏むと良いことがある”って、言い伝えがあるからみャ」
 トロ:「じゃあトロたちも踏んづけるのニャ♪」
 クロ:「そうだみャ」


 

 クロ:「では、空いてるうちに中へ入るみャ♪」
 トロ:「了解ですニャ♪」


 

 トロ:「一歩踏み入れると厳かな雰囲気ですニャ〜」
 クロ:「そりゃ大聖堂だからみャ。
     それにしても“クリアストリー”
(あかり取り用のステンドグラス)がキレイだみャ〜」


              

 トロ:「こっちが順路みたいですニャ」
 クロ:「“側廊”が順路になってるんだみャ」


 

 トロ:「なんか壁際には小さい小部屋が“たくさん”ありますニャ」
 クロ:「これは“祭室”といって、小さい祭壇が安置されている“独立した小教会堂”だみャ」


 

 トロ:「へぇ〜
     “大聖堂”の中に“小さい教会がたくさんある”ってことですニャ」
 クロ:「そうだみャ。
     同じ“カトリック教”でも安置されている“神像”“神具”がそれぞれ違っていて、信者も異なるんだみャ。
     “ノートルダム大聖堂”には多くの信者が礼拝に訪れるから、
     たとえ主祭壇で儀式を行っていても、たくさんの祭室があれば個別に礼拝ができるというわけみャ

 トロ:「なるほど、それは合理的ですニャ」


              

 トロ:「これはまた“ひらけた所”に出ましたニャ」
 クロ:「ここは中央部だみャ。
     そしてあそこに見えてるのが“北翼廊のバラ窓”だみャ」
 トロ:「昨日クルーズ船で見た“丸い装飾の窓”ですニャ♪」
 クロ:「それは“南翼廊のバラ窓”で、あっちは反対側だみャ…」


           

 トロ:「どっちにしても“花火みたい”で実にキレイですニャ〜♪」
 クロ:「“ノートルダム大聖堂”の“ノートルダム”は
     フランス語で“我らの貴婦人”という意味で“聖母マリア”を表してるんだみャ」
 トロ:「じゃあココって“マリア様の大聖堂”ってことなのニャ?」
 クロ:「そうだみャ」


 

 クロ:「だからアノ“北翼廊のバラ窓”にはステンドグラスで“聖母子”が描かれてるみャ」
 トロ:「へぇ〜
     細かすぎてよく分からないけど、とにかくキレイの一言に尽きますニャ」
 クロ:「それじゃ、先へ進むみャ」


              

 トロ:「おや、誰か知らないけど、祈りを捧げてますニャ」
 クロ:「バカ、フランスの英雄“ジャンヌ・ダルク”だみャ」
 トロ:「この人が有名な“ジャンヌさん”でしたか」
 クロ:「バカ、そんな呼び方したら“日下部まろん”みたいだろ」
 トロ:「えっ?」
 クロ:「いや、突っ込まなくていいみャ…」
 トロ:「ところでジャンヌさん”は何故ここでお祈りしてるのニャ?」
 クロ:「“ジャンヌ・ダルク”はイングランドとフランスの間で
     “王位継承”を巡って勃発した“百年戦争”でフランスを勝利に導いた国民的英雄なんだけど、
     実は“百年戦争”が終結する23年前の1430年に“親イングランド派”の“ブルゴーニュ軍”に
     捕らえられてイングランド主導で行われた“宗教裁判(異端裁判)”にかけられたんだみャ」
 トロ:「なんと!?
     フランスを勝利に導いた国民的英雄なのに、そんな大変なことになってたのニャ!」
 クロ:「“宗教裁判(異端裁判)”では、
     “女性でありながら男性の格好した罪”と“カトリックの教義に反して神の声を聞いた罪”に問われて、
     1431年5月30日にフランス・ノルマンディー地方の町“ルーアン”の“ヴィエ・マルシェ広場”で
     “火あぶり”にされて“死刑”に処されたんだみャ」
 トロ:「えっ!?
     フランスを勝利に導いた国民的英雄なのに“死刑”!?」
 クロ:「そうだみャ、
     まだ若干19歳だったのに勿体無い…、いや、前途ある若い女性に酷いことをしたものみャ…。
    “火あぶり”にされる当日、宗教裁判の裁判長だった“ボーヴェ司教(ピエール・コーション)”本人に
    “ジャンヌ・ダルク”が言った言葉が残ってるみャ」
 トロ:「なんと言ったのニャ…?」
 クロ:「“私は貴方のせいで死ぬ、私は貴方を神の前で告発します”っと言ったらしいみャ…」
 トロ:「マジですか…」
 クロ:「ひょっとしたら、この“ジャンヌ・ダルク”は祈りを捧げてるんじゃなくて、
     異端裁判の裁判長“ピエール・コーション”を神に告発してるかもしれないみャ…」
 トロ:「うわぁ〜 なんか恐くなってきたのニャ…」
 クロ:「ちなみに“ジャンヌ・ダルク”の死後29年が経った1450年、
     ローマ教皇“カリストゥス3世”が“ジャンヌ・ダルク”の“宗教裁判(異端裁判)”のやり直しを命じて、
     イングランド主導で行われた裁判の不当性が続々と明るみになり、6年後に“無罪”が宣言されたのみャ」
 トロ:「死んじゃったあとだけど、名誉が回復できて良かったですニャ」
 クロ:「それから更に464年後の1920年、
     ローマ教皇“ベネディクト15世”が“ジャンヌ・ダルク”に“聖女”の称号を与えて
    “ジャンヌ・ダルク”は“カトリック教の聖人”になったんだみャ」
 トロ:「へぇ〜
    “フランスを勝利に導いた国民的英雄”ってだけじゃなくて、“悲劇のヒロイン”だったんですニャ…」

              

 クロ:「じゃあ、そろそろ先へ進むみャ」
 トロ:「そうですニャ」
 クロ:「ここから先が“アンビュラトリー”っていう、回廊(周歩廊)
だみャ」

 

 トロ:「これまた細かい彫刻がありますニャ〜」
 クロ:「これは“復活後のキリスト”を描いた彫刻だみャ。
     7つのアーチごとにある“柱がマンガのコマの役割”を果たしていて、
     横長の“9コマ漫画”みたいに物語が描かれてるんだみャ」


 

 トロ:「へぇ〜
     彫刻のマンガなんて初めて見ましたニャ」

 クロ:「この反対にある北側には“キリストの受難前夜まで”が描かれてる彫刻があるみャ」
 トロ:「連作になってるんですニャ…」


 

 クロ:「それにしても、実に細かいみャ」
 トロ:「色もとってもキレイですニャ」


              

 トロ:「あれ、ステンドグラスって開くんですニャ」
 クロ:「まぁ 場所によっては窓の役割があるから、あぁやって開くんだみャ」


 

 トロ:「信者さんか“祭室”で祈りを捧げてますニャ」


              

 クロ:「いや、そんな風に見えるケド、あれは“祈りを捧げる信者の彫像”だみャ」
 トロ:「なんと!?
     シルエットだけじゃ判断できないほど精密な彫像ですニャ」
 クロ:「あぁやって、何年、何十年、何百年と、祈り続けてるんだみャ…」


 

 トロ:「こっちの“祭室”には恐い彫像がありますニャ」
 クロ:「“棺から死人を連れ出す死神”だみャ」
 トロ:「“死神さん”の顔が真っ暗で本当に恐いですニャ…」


 

 クロ:「さぁ そろそろ折り返し地点の“アプス”(後陣)部分だみャ」

 

 トロ:「あっ“マリア様”が立ってますニャ」


              

 クロ:「そりゃ“ノートルダム大聖堂”だからみャ」


 

 トロ:「そういえば、ココは“マリア様”の大聖堂でしたニャ」

              

 クロ:「それにしても、荘厳で美しいみャ…」
 トロ:「ホントですニャ…」


 

 トロ:「ありゃ、こんな所で誰か寝てますニャ」
 クロ:「これは“横臥像”
(おうがぞう)っていう“横たわった人物を表した葬送用の像”だみャ」
 トロ:「葬送用ってことは、この人は死んでるのニャ?」
 クロ:「これはあくまで彫像だから“死体”そのものじゃないけど、
     葬送用の“横臥像”は棺に入っている死体の姿を表現しているみャ」
 トロ:「じゃあ、足元にいる“ライオンさん”は何なのニャ?」
 クロ:「“横臥像”には風習があって、
     男性は“武の象徴であるライオン”を、女性には“誠の象徴である犬”を足元に配置するんだみャ」
 トロ:「へぇ〜 変わった風習ですニャ〜」


 

 トロ:「ところでこの人は一体誰ですかニャ?」
 クロ:「纏っているのは司教の服だから、恐らく“モーリス・ド・シュリー司教”じゃないかみャ」
 トロ:「その“司教さん”はどんな人なのニャ?」
 クロ:「ざっくり言うと、この“ノートルダム大聖堂”を作った人だみャ」
 トロ:「えっ、この“司教さん”が作ったのニャ?」
 クロ:「もう少し正確に言うと、もともとココには“小さな教会堂”があって、
     モーリス・ド・シュリー司教”が1163年から“教会堂”の増改築をはじめたんだみャ。

     1225年に一旦は完成したんだケド、その後も増改築が行われて、1250年にファサードが完成して、
     更にフライングバットレス方式に改築され、現在の姿として竣工したのは1345年だみャ」
 トロ:「なんと増改築を始めてから180年以上もかかったんですニャ」
 クロ:「だから正確にはモーリス・ド・シュリー司教”が“ノートルダム大聖堂”を作ったってわけじゃないケド、
     その“きっかけ”を作ったのは“モーリス・ド・シュリー司教”と言えるみャ」
 トロ:「なるほど、それじゃこの像が“司教さん”だったとしても不思議じゃないですニャ」


 

 クロ:「“アプス”を折り返した北側は展示スペースになってるみャ」
 トロ:「確かに大きなショーケースがありますニャ」


 

 クロ:「これは精巧な模型だみャ〜」

              

 トロ:「彫刻の“ひとつひとつ”が実に細かく再現されてますニャ」


 

 クロ:「“手すり”や“塔の装飾”部分を見ると、気が遠くなるみャ」

 

 トロ:「“丸い装飾の
バラ窓”もちゃんと再現されてますニャ」

              

 クロ:「“フライング・バットレス”部分もエライことになってるみャ」

 

 トロ:「これは売りに出されたら、とってもお高いでしょうな〜」
 クロ:「こんな完成品じゃなくて、プラモデルみたいに木工パーツで売り出されたら買いなんだケドみャ」
 トロ:「でもそれじゃあ、作るのに とっても時間がかかりそうですニャ…」
 クロ:「確かに…」


 

 トロ:「こっちのショーケースはジオラマを展示してますニャ」
 クロ:「ノートルダム大聖堂”を増改築している作業行程のジオラマだみャ」


 

 トロ:「今度はパネル展示ですニャ」
 クロ:「増改築の最初から現在までの過程を展示してるようだみャ」


 

 クロ:「パネル展示よりも実物を見た方が良いみャ」
 トロ:「じゃあ、先へ進みますニャ」


              

 クロ:「この“祭室”には預言者“モーセ”が安置されてるみャ」
 トロ:「下の豪華な箱はなんですかニャ?」
 クロ:「預言者“モーセ”と言ったら“聖櫃(せいひつ)”が付き物だろ。
     あの中にはきっと“十戒”を記した石版が入ってるに違いないみャ」


              

 トロ:「こっちには“赤ちゃん”を抱いた“お母さん”の像がありますニャ」


              

 クロ:「あれは“聖母子像”だみャ。
     母親が“聖母マリア”で赤ん坊が“イエス・キリスト”だみャ」
 トロ:「これは失礼しましたニャ…。
     でもお母さんの“マリア様”はとっても美人さんですニャ」


 

 クロ:「ココには“イエス・キリスト”が産まれる前の“懐妊中”の“聖マリア立像”が安置されてるみャ」
 トロ:「確かにお腹が膨らんでますニャ」


              

 クロ:「さぁ“アプス”を周回して“中央部”まで戻ってきたみャ」
 トロ:「あそこにも“丸い装飾のバラ窓”がありますニャ」
 クロ:「あれが昨日のクルーズ船から見た“南翼廊のバラ窓”だみャ。
    “南翼廊のバラ窓”にはステンドグラスで“黙示録のキリスト”や“使徒”“聖者”などが描かれてるみャ

 トロ:「へぇ〜、やっぱり細かすぎてココからじゃ分かりませんニャ…」
 クロ:「では、この“中央部”から“身廊”へ進むみャ」
 トロ:「“身廊”って?」
 クロ:「“主祭壇”へ向かう大聖堂の“中央にある大きな通路”のことだみャ」


              

 トロ:「これは確かに大きい通路ですニャ〜」


 

 クロ:「全長127.5m・高さ32.5m・幅12.5m 、あるみャ」
 トロ:「正直 ピンときませんが、とにかく広くて大きいですニャ〜」

 

 クロ:「主祭壇に安置されているのは“ピエタ”だみャ」
 トロ:「“ピエタ”? 何か響きが“冷えピタ”と似てますニャ」
 クロ:「コラ! バチが当たるぞ!!」


              

 クロ:「“ピエタ”とは“処刑されたキリストを抱く聖母マリア”を描いた彫像や絵画のことで、
     とっても悲しい場面を表現した作品なんだみャ」
 トロ:「そんな事とは知らずに“冷えピタ”なんて言って、本当にゴメンナサイなのニャ…」


 

 クロ:「まぁ 気を取り直して、オレっちたちには“神聖すぎて場違い”だケド、記念撮影やっとくみャ」
 トロ:「そうですニャ、せっかくココまで来ましたからニャ♪」


 

 トロ:「おや、あんな所にマイクが立ってるニャ」
 クロ:「あれは“主祭壇”や“内陣”を使って行う大きな儀式のときに、儀式の進行をする“司祭”が使うマイクだみャ」


              

 トロ:「なるほど、こんなに広い空間だからマイクは必要ですニャ」
 クロ:「その代わり、すごい“エコー”が掛かるけどだみャ」


 

 トロ:「あれ?
     振り返ったら、後ろにも“丸い装飾のバラ窓”がありますニャ」
 クロ:「よく気付いたみャ。
     アレこそ“ノートルダム大聖堂”で一番古い1210年に作られた“西面のバラ窓”だみャ」
 トロ:「へぇ〜 アレが一番古いのニャ。
     でも他の2つに比べて小さいし、手前に何かあってよく見えませんニャ」
 クロ:「“西面のバラ窓”の直径は9.6m、ほかの“北と南のバラ窓”は直径13mだから3m以上差があるみャ。
     そして“西面のバラ窓”の手前にあるのは“パイプオルガン”だみャ。
     今回はスケジュール的に聴けないケド、この空間で聴くパイプオルガンの音色は最高だからオススメみャ」
 トロ:「それは是非聴いてみたいですニャ〜♪」


 

 クロ:「では“側廊”に戻って、“祭室”巡礼を続けるみャ」

              

 トロ:「あの方は…、トロでも知ってる“イエス・キリスト様”ですニャ」


 

 クロ:「無数のキャンドルが印象的な“祭室”だみャ…」

 

 クロ:「こっちは祈りを捧げる“レオン・アドルフ・アメット大司教”の彫像“だみャ」
 トロ:「小さい祭壇に立ってる人は誰ですかニャ?」
 クロ:「十字架と聖書を持ってるケド、それだけじゃオレっちも分からないみャ…」


 

 クロ:「これは“子供たちと戯れるイエス・キリスト”だみャ。
     “福音書”記された場面を再現してる彫像だみャ」
 トロ:「じゃあ、奥の人は誰ですニャ?」
 クロ:「“イエス・キリスト”かもしれないケド、使徒の誰かかもしれないみャ…」
 トロ:「フードでお顔が見えないから、やっぱり分からないニャ」


 

 クロ:「さて、ここが“ノートルダム大聖堂”の“エントランスホール”だみャ」
 トロ:「エントランスホールってことは、トロたちが入って来たのはこの向こう側ってことですニャ」
 クロ:「そうだみャ。
     いくつかの“祭室”には触れられなかったケド、まだ巡礼する場所が残ってるから一旦外へ出るみャ」


              

 トロ:「これはまた、おびただしい数の彫像ですニャ〜」
 クロ:「この13世紀に作られた中央入口の周囲を飾るアーチは“最後の審判のポルタイユ”という作品で、
     “死からの復活”“天国行きか地獄落ちかの魂の選別”
     そして“その裁きを見守るキリスト”の姿が描かれてるんだみャ」


              

 トロ:「じゃあ、コレは裁判をしてるところなんですニャ」
 クロ:「そうだみャ。
     あの彫像ひとつひとつには、人間の“感情”や“業”や“欲”など、様々なモノが“擬人化”されていて、
     それぞれにちゃんと意味があって配置されてるんだみャ」
 トロ:「それは凄いですニャ。
     ちゃんと理解できれば、作品から受ける印象が変わるんだろうけど、トロには難しすぎますニャ…」
 クロ:「確かにオレっちにも難解だみャ…」


 

 クロ:「とりあえずお次は、あの“ノートルダム大聖堂”の塔へ登るみャ」
 トロ:「へぇ〜、この上に上がれるんですニャ」


 

 クロ:「塔への入口は“ノートルダム大聖堂”の北側にあるみャ」

 

 クロ:「この“北塔”の下に入口が…」

              

 トロ:「壮麗な外観とは違って、意外と地味な入口ですニャ…」
 クロ:「確かに…」


 

 

 トロ:「なんか広い場所に出ましたニャ」


 

 クロ:「お土産屋になってるみたいだみャ」
 トロ:「せっかくだから、何か買っていきますニャ」
 クロ:「そうだみャ」


              

 クロ:「“ノートルダム大聖堂の精巧な模型”や“豪華な装丁のノート”とか買っちゃったみャ♪」
 トロ:「ではお土産も買ったし、先へ進みますニャ。 順路はアノ螺旋階段ですかニャ?」
 クロ:「いや、あそこは通行禁止で、塔への順路はこの後ろだみャ」


 

 トロ:「あっ、外が見えますニャ」


 

 クロ:「ここを進むと正面のバルコニーに出るみャ」
 トロ:「しかし結構 狭い通路ですニャ…」


 

 クロ:「さぁ ここが“ノートルダム大聖堂”の正面バルコニーだみャ」
 トロ:「良い眺めだけど、網やネットが気になりますニャ…」
 クロ:「下には人がいっぱいいるから、物を落とさないように こうなってるんだみャ」
 トロ:「そういう事なら、仕方ないですニャ」


              

 クロ:「しかし下から見上げてた“塔”を間近で見たら迫力があるみャ」

              

 トロ:「思ってたより、とっても大きいですニャ」

 

 クロ:「下を見るみャ。
     大聖堂の中へ入る行列が、あんなに延びてるみャ」


 

 トロ:「スゴイ大行列ですニャ!
 クロ:「“ノートルダム大聖堂”は入場無料の人気スポットだから、朝一番に来ないとあの行列に巻き込まれる
みャ」
 トロ:「トロたちは待ち時間なしで入れたからラッキーでしたニャ♪」
 クロ:「いやいや、オレっちはこの状況になることを知ってたから、朝一番にココへ来たんだみャ」
 トロ:「さすがクロ! ちゃんと調べてたんですニャ」


 

 クロ:「では、塔の上まで登るみャ」
 トロ:「まだ上に登れるんですニャ」


 

 

 クロ:「これは絶景だみャ〜♪」
 トロ:「東京みたいに高い建物が少ないから、遠くまで見渡せますニャ〜」


              

 クロ:「しかしココから見ると、屋根の装飾もハンパないみャ」
 トロ:「屋根にもいっぱい人が立ってますニャ」


 

 クロ:「しかし今日も天気で本当に良かったみャ」
 トロ:「雨だったら、雨具が必要でしたニャ」


 

 クロ:「ここもやっぱりネットで覆われてるみャ」
 トロ:「これだけしっかり覆われてたら、“高所恐怖症”の人も恐くないかもしませんニャ」


 

 クロ:「“南塔”から見た“北塔”だみャ」
 トロ:「これは装飾が凄すぎますニャ…」


 

 クロ:「上から下まで手抜きは一切ないみャ」
 トロ:「これは作るのに時間がかかるわけですニャ…」


 

 クロ:「しかし一体“ガーゴイル”だけで何体いるんだろうみャ」
 トロ:「あの“怪物さん”のことですニャ。 確かに数え切れないほどおりますニャ…」


 

 クロ:「“ガーゴイル”はさておき、ようやく久々の聖地へ到着みャ♪」
 トロ:「っと、言いますと?」


 
 

 クロ:「ここからの景色がアニメのタイトルバックで使われてるんだみャ」

 
 

 トロ:「そうだったんですニャ」


 

 

 

 トロ:「分かった! 昨日言ってた“エッフェル塔”ですニャ♪」
 クロ:「ピンポ〜ン♪ はい正解!」


 

 クロ:「では早速 地上まで下りて、“エッフェル塔”へ出発みャ」
 トロ:「了解ですニャ!」


 

 クロ:「さらば“ノートルダム大聖堂”、今度は“ミサ”の時に来て“宝物館”も巡礼するみャ」
 トロ:「まだまだ見所があったんですニャ」


 

 トロ:「さて、ここから“エッフェル塔”まで距離があるケド、どうやって行くんですニャ?」
 クロ:「“メトロ”や“バトビュス”
(水上バス)とか、いろいろ方法があるケド…」


 

 クロ:「天気も良いし、自転車で行くみャ」
 トロ:「なんと! 自転車ですとニャ!?」
 クロ:「パリには こういうレンタル自転車“ヴェリブ”があって、
     パリ市内の300mおきに“レンタルステーション”が設置されてるんだみャ」
 トロ:「そんなにたくさんあるんですニャ」
 クロ:「オレっちたちのホテルの前には2つも“レンタルステーション”があるから、
     “ヴェリブ”での移動も便利だみャ」
 トロ:「それは確かに便利ですニャ。
     でもレンタルするのに手続きが面倒じゃないのニャ?」
 クロ:「
クレジットカードが1枚あれば、
     “レンタルステーション”のタッチパネルの操作で誰でもスグに借りられるみャ」
 トロ:「へぇ〜」
 クロ:「じゃあ“ノートルダム大聖堂”で買ったお土産を一旦ホテルへ置きに帰ってから
     “エッフェル塔”へ向かうみャ」
 トロ:「了解ですニャ」


 

 

 トロ:「パリでサイクリングするとは思いませんでしたニャ♪」
 クロ:「東京の夏と違って湿気が少ないから、実に気持ち良いみャ〜♪」


 

 トロ:「パリはちゃんと“自転車専用レーン”を設けてるから、運転していても恐くないですニャ」
 クロ:「“自転車専用レーン”がきっちり決まってるから、運転には馴れが必要だけど
みャ」

 

 トロ:「そうなのニャ?」
 クロ:「“自転車専用レーン”
は一方通行で、レーン以外の走行が禁止されていたりするんだみャ」

 

 トロ:「結構“交通ルール”が厳しいんですニャ」
 クロ:「観光客だろうと、違反したら罰金を支払わないといけないから“要安全運転”だみャ」


 

 クロ:「おっ“アレクサンドル3世橋”だみャ」

 

 トロ:「昨日の“ナイトクルーズ”の時と違って、お昼は本当に“金ピカ”ですニャ♪」
 クロ:「寄り道して、ゆっくり写真でも撮りたいところだケド、ちょっと時間がないみャ」
 トロ:「えっ? それってどういう事ニャ?」
 クロ:「“エッフェル塔”への“優先入場チケット”は“時間の予約制”で、予約時間を過ぎたら入れないんだみャ」
 トロ:「それは大変ですニャ」
 クロ:「そういうわけで、
“エッフェル塔”へ直行するみャ」


 

              

 クロ:「だいぶ近づいてきたみャ♪」
 トロ:「もうすぐで到着ですニャ♪」



 
次へ…


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